推しのステージの中止を受けて―今ｵﾀｸにできること―
皆様こんにちは。
前回の記事に反応をいただき、ありがとうございました。
唐突ではありますが、先日、推しのステージがコロナウイルス感染拡大の影響を受けて、中止になりました。
覚悟はしていました。
正直、今の時勢を鑑みて、こうなることは予想してもいました。
ですが、実際に公式から中止の知らせを聞いた時、悔しくて悔しくて、涙が出ました。
推しバレするかもしれませんが、推しは今ツアーの真っ最中です。
推しが日に日にステップアップしていく姿を見るのがとてもとても楽しくて、本当に嬉しくて。そして今、本人もファンの前でパフォーマンスをすることが本当に楽しく、早く次の会場でステージに立ちたくて仕方ないと、そう話していた矢先のことでした。
正直、ほぼ毎日何かしらのコンテンツは更新していたはずの推しが、発表の前日に一言も発信しなかった時点で、ああ、多分中止なんだろうなぁとは思っていました。
でも、わかってはいても、予想をしてはいても、実際に推しから『中止になりました』と言う言葉を聞いた時、悲しいとか残念だという気持ちよりも、悔しさが込み上げてきました。
そして何より、推しに、ごめんなさいという言葉を使わせてしまったこと。
誰にと言うわけでもなく、本当に本当に、心底悔しかったです。
推しは、きっと次のステージでもまた1歩階段を登るんだろうと、また成長した姿を見せてくれるんだろうと、確信していたからこそ、このタイミングでの中止が悔しくて仕方がありませんでした。
でも、推しは自分に言い聞かせるように言っていました。誰が悪いわけでもない、と。
それから、こんな時だからこそエンタメ業界にいる人間として、自分のできる範囲でも、みんなを少しでも楽しませられるようなことをすると。推しはそう約束してくれました。
だから、私もｵﾀｸとして、できる限りのことをしようと思います。
今、私が推しのためにできることなんて本当に限られているし、実際ｵﾀｸ1人のちっぽけな力なんて、何の役にも立たないかもしれない。
それでも私は、自分のために推しにできることをしたい。
このステージが中止になったことで、推しの事務所はかなりの打撃を受けたはずです。
もしこの状況が続いてしまったら、今後、推しが満足に活動を続けていくことができなくなってしまう、ということだって、ないとは言いきれません。
気になっていたお店が、潰れてしまってから行きたかったのにと思っても仕方がないのと同じで、推しにだって永遠はありません。
だからこそ今、私は推しにできることをしたい。
自分自身が後悔しないために。
ラジオを聴いて、配信を観て、過去の作品を見て、聞いて、手紙に感想をしたためよう。
次のステージで渡す予定だった手紙は、一度全部書き直します。元々ネガティブなことは書いてないけれど、長くなってすみません、という言葉も書きません。
中止になって残念ですが、なんて書かずに、またステージを見られることを楽しみにしてると書きたい。
だって、一番悔しいのは推しだから。
いつもは手紙でも、めちゃくちゃ真面目な文章しか書けていないけれど、今回ばかりはクソほどポジティブでハッピーなテンションの言葉だけを書いて、推しに少しでもハッピーを伝染させたい。
言葉の伝染力は、強いんです。
そしてまた、いつの日かステージを見に行ける時が来るならば、その時は今回不要になったチケ代と遠征費を全て物販で消費しよう。
そうやって推しを応援したいです。
他でもなく、自分のために。
なんかめっちゃポエムになった。
全ｵﾀｸの皆様と推しさんが、ハッピーであるように祈って。
推しからの認知は果たしてモチベにつながるのか
認知。色々な界隈でよく聞く言葉ですよね。
推しに認知されたい、されたくない。色々な考えのｵﾀｸがいて、その理由はｵﾀｸの数だけ千差万別だと思っています。
ここでは、認知をされたくない派のオタクが推しから突然認知開示（）を受けた……その時のことと、それからの心情、動向などを自分用のメモ代わりとして、つらつらと書き記していきたいと思います。
認知されるにはどうしたらいいか、という話ではないのであしからず。
これを書いている主は、とある推しを推すただのｵﾀｸです。
詳細を書くと身バレするのでフェイクと伏せを入れますが、まだあまりぱっとしない……（という言い方も推しに大変失礼ですが、悲しいことに事実なので）一般的にはそこまで知名度の高くない方を推しています。
推しを知ったのは数年前、推しの芸能人生の中では結構デカい露出があって、たまたまそこで知りました。初めはそのコンテンツ自体を追っていて、いつの間にか本人も追っていた……というよくある流れで、本格的に推し始めたのは約1年前です。
まあ、現場に通っているだけで推しと言うなら、それこそ知った半年後くらいから推しだったのでしょうが……私の場合、長年追っていた元推しがいたせいで「推し」と呼ぶことに対するハードルがガン上がりしていて、お金と時間と熱量を元推しと同じくらいにまで注ぎこめるようになったのが、だいたい１年前くらいからでした。
故にずっとド新規の顔をしていましたし、正直自分は永遠の新規だと思っています。
プレを贈ったこともなければ、前列ガッツもしないし花も贈らない。
推しに認知されるとその分責任が伴う気がするから、できれば認知もされたくない、ゆるｵﾀ(仮)を自称するｵﾀｸです。
私の自己紹介はこれくらいにしますね。
そんなゆるｵﾀ(仮)が、ある日突然推しから認知を開示されたんですね。
去年の話です。
発売された媒体のリリイベが各地であって、私はそれに行ける範囲で行こうと思い、推しを追って全国津々浦々。観光もろくにせず、ただただ数十分のリリイベのためだけに数ヶ月間地方巡業をしていました。
リリイベ自体はそれが二回目で、一回目の時には10か所くらい。二回目はプラス5か所くらい回ったのかな……我ながら気も狂っていたし金の使い方も狂っていた。（推しはその倍くらい回っているのだから、本当にお疲れ様ですという感じですが）
そのリリイベで事件は起こった。
正直、私は接触があまり好きではありませんでした。というのも、推しを前にして何を話せばいいのかわからないから。推し以外なら世間話でもなんでも出来るんですけどね。
推しにどうしても面と向かって言いたいことと言えば、お礼くらいしかありません。
もちろん感想はめちゃくちゃ伝えたいけれど、たかだか数秒の時間で正確に伝えきれるものでもないですし、感想をちゃんと伝えたいなら、正直手紙を書いた方が何倍も良いと思います。（前推しの時に手紙職人だったことも大きいですが）
じゃあなんでリリイベに狂ったように通っていたのか。
一、推しのパフォーマンスが見られるから。
二、客の頭数を少しでも増やしたいから。
三、積めば積むだけ推しの目標に近づくから。
大きく言うとこんな感じです。
積むのも接触目当てというわけではなく、「君にお金をかけるｵﾀｸがいるんだよ～」ということを推し本人に知らせたかったからですね。
推しは実力はあるのにめちゃくちゃ自信がない方なので……塵つもでも何かしらの力になれればいいなと思った、というのが総じての理由です。
ここまでで、『そうは言っても結局は認知厨じゃん？』って思った方はUターンくださいね。
接触目当てなら、100近く周回出来る遠征費なんかかけずに近場で100積んでます。
そもそも、周回OKなのに複数枚の整理券を全部まとめて出し、延びた持ち時間関係なしに秒ではけようとして推しから引き止められる前科持ちの時点で、かなり気の狂ったｵﾀｸであることはわかるかと思います。
あと、近年は事務所から禁止令が敷かれましたが、それまでは出待ちなんかもしようと思えばできちゃう(本人もNOとは言ってなかった)状況でしたから、認知されたい！本人に構ってもらいたい！って人は、もっと大胆に行動できる環境だったと思います。今はちょっと難しいかもしれませんが。
話をリリイベに戻しましょう。
その日はまあとりあえずいっぱい積んで(お祝いも兼ねてたので)、いつものように周回は無視して分厚い整理券の束をスタッフに渡しました。
スタッフが「●枚です」と告げた時の推しの表情は、あまりにスペキャのそれすぎて思い出すとちょっと笑えるんですが、それは置いておいて。
私のような頭の沸いたｵﾀｸにも、推しはやさしかった。
しきりにありがとうを言ってくれて、いつも一方的な短い感想という名の送球をするだけで、会話のキャッチボールを試みようとしないｵﾀｸに、ちゃんと話をしようとしてくれていた。
何故か職業を聞かれたし、ちゃんと休みが取れてるかの心配もされた。
やさしいな、いっぱい積んだからかな。あ、普通のOLです。
でも同担の目もある中でのやり取りだから、私はすでにはけたい気持ちでいっぱいで、半ば身体は退出口の方向へ引けていた。
事件はその時起きました。
推しがふっと客席のとある方向を指さして、
「いつも見てるよ」
と口にした。
一瞬、何のことだかマジでわからなかった。「え？」と馬鹿みたいに口を開けて、推しが指をさしていた方向を目で辿る。そこでようやく気付いた、遅いわって話ですけど。
そこはさっき、私が推しのステージを見ていた場所でした。
……正直、マジで怖かったです。
この日はかなり後方で見ていました。でも、推しの視線がやたらこちら側に来ているような気がしたから、こっちにマネジか関係者か見知ったｵﾀｸでもいるのか？なんてことを呑気に考えていました。
違った。
私が見られていた。
震えました。
ごめん、推し。推しは陽キャ気質だし、推しのファンは認知アピ凄い子も多いからファンサのつもりだったのかもしれない。はたまた本当に何気なく口にしただけだったのかもしれない。
でも、一介のモブでありたいｵﾀｸには普通に怖かったわ。
本当にあった怖い話すぎて、その日は友人に震えた声で電話をしながら、逃げるように現場を去った。
こちらからしたらあまりにも唐突だったのですが、まあ冷静に考えたらたかだかリリイベで何公演と現場に通って、地方に限ってはほぼ全通、おまけに接触では金だけ積んで、周回せずに言いたいことだけ言ってさっさとはけるｵﾀｸ、なんて覚えるなって方が無理なんですよね。友人に言われて気づきました。
わかる。やりすぎたね。ごめん。
だってそういうｵﾀｸいっぱいいると思ってた、前の界隈ではいたもん。
そっか、いなかったか。ごめん。
一回目のリリイベで積んだ時点で、顔は認識されてるであろうことはすでに察してはいた……んですけど、認識されていても、向こうから何か言ってくることはないだろうとタカをくくっていたし、まあ数ヵ月も接触空いたら忘れてくれるかな～と……うん。
あと、現場は割と後方に入るから、接触がなければ入ってるかすらわからないと思っていた。推しの視力と記憶力を舐めていました。
何より、推しからそういうことされるとは想定外すぎてｵﾀｸびっくり。私がリアコじゃなくて良かったね本当に！？
多分、そういうことを言っても厄介にならないとわかっていての発言だとは思う(思いたい)んですけどね。
そうではなく考えなしにあんなこと言ってたなら、過激なｵﾀｸもいるんだからさすがにもっと危機感持って！？と叫びたいですが。
この日を境に、推しと目が合った、とか、自分に向けてファンサくれた、とか、探してくれた、という感覚がなんとなーくわかるようになりました。（それまでは視線が合おうがなんだろうがマジで気のせいだと思っていたので）
今さらだけど、それまでもファンサくれてたのかな。気づいてなくてごめんね推し。今でも視線くると周りキョロキョロしちゃうけど。
さて、推しに認知されたくないｵﾀｸが認知されるとどうなるのか。
結果、特に行動は変わりませんでした。
現場は完全に運に任せて入れる所に入るし(最前ドセン引き当ててしまうとかいうアホみたいなこともありましたが)、接触でも自分の気分で好きなように金を積んで、いつものように一言二言感想を述べて、ありがとうございましたって感謝を伝え、次の現場に向けて日々働く。
こんな感じで行動は本当にほぼ変わりませんでしたが、モチベ……というか、意識は少し変わりました。
っていうのも、推しから認知されていてもされていなくても、私という一ｵﾀｸの推し方はどうしたって変えようがないのですが(これは前の界隈の雛鳥のすり込みみたいなものなので)、推しを人間だと思って行動するようになりました。
いや、人間なんですけど。
推しも人間なのはわかっているんですけどね。
なんというか、自分の行動や発言が、推しという人間に影響することを多少意識するようになった、というか。わかりますかね。
顔も知らぬ名もなきモブAが、メインキャラの人生に与える影響なんてそうそう大きくありません。
でも、例えば同じクラスで顔を知っている子が休んだら、仲のいい友達じゃなかったとしても、ちょっと気にはなりますよね。あー、あの子休みなんだー、の一瞬くらいだとしても。
そのほんの少しの一瞬を、推しに与えることができてしまうという自覚を持つようにはなりました。
顔の知っているｵﾀｸ、顔を見たら「あっ」てなるｵﾀｸが、自分の見てる所で変な行動とか発言とかしたら嫌じゃないですか。
今日はいないな～とか思われるとまではさすがに思いませんよ。（客席見てわかりやすく自分のｵﾀｸ探ししちゃう系の推しなので、向こうがどう思っているかはわからないのが怖いですが）
ただ、接触の時にかける言葉の選び方に気を遣うようになったし、推しの反応を前以上によく観察するようになりました。
こういうことを言われた時はさほど反応が良くない、こういう時にはテンションが上がる、今はこういう言葉を期待しているのかもしれない。
そういうことを自然と考えるようになりました。
……っていっても、結局こちらの思考回路は変わらないので、大した変化なんかしていないんですけどね。
あと変わったことと言えば、接触で推しから話しかけてきてくれるようになったことですかね。
私は一にも二にもお仕事の感想を伝えたいｵﾀｸなので、それまでは推しの前に立って挨拶したあと一方的に感想を述べ、それに推しがなにがしかの反応を返してそこで終わっていたんですが、推しの方から感想を尋ねてくれることが増えました。
ちょっとびっくりしたのは、推しが一皮剥けたパフォーマンスをした直後の接触で、開口一番「（それまでの自分と）変わった？」って聞いてきたこと。
それから、推し自身のその日の出来とは別のことを話題に持ち出した時に、その言葉には少ししか反応を返さず、すぐに「今日どうだった？●●（前回私が褒めたこと）できてた？」って聞かれて、「あ、いつも伝えてる感想はちゃんと受け取めてもらえてたんだな。こいつはちゃんと感想を言うｵﾀｸだと思ってもらえてるんだな」と安心しました。
推しは正直、顔を覚えるのは得意な方だと思います。本人がコミュ力おばけなので、仲良くなろうと思って接すれば誰にでもそのように接してくれますし、アピールすればするだけ覚えてくれるとも思います。
そんな陽キャ気質の推しなので、古参で推しから認知されている方なんかは、かなりフランクなそれこそ友達みたいなノリで推しと接していて、推しも同じノリで「元気？」とか「最近●●じゃん？」とか返しているのを見ていたので、もし認知されたら私も推しとその関係になるのか……と思うと、推しには永遠に営業をされたいと願うｵﾀｸには割と気が重かった。（接触終わりに推しからﾊﾞｲﾊﾞｲって手を振られてもお辞儀してしまう系のｵﾀｸ）
推しはずっと「推し」でいてほしい。
板の上で輝いている推しを見たいのであって、私の友達になってほしいわけじゃない。
距離は遠くあってほしい。こちらが勝手に応援の声をかけることはできても、永遠にこの手は届かなくていい。
個として何かをしてほしいわけじゃない。ｵﾀｸ個人に何かをしてくれるくらいなら、仕事の成果という形で返してほしい。
私はそれに対して好きにお金を使うから。
だからこそ永遠に一介のモブでありたかったんですけどね～～～
一回覚えられてしまったら、あとは推しが私に関する部分だけ記憶喪失になってくれる、もしくは私が降りない限りは忘れてもらうのは難しいでしょう。
最初は推しがうまいこと頭ぶつけてくれないかな～と思ったりもしていましたが、最近は諦めました。
でも、認知されてると自覚してからも推しは推しでいてほしいという思いは変わらないので、推しとお話しできる時にはｵﾀｸとして一線を引く、タメ語は使わない、さん付けで呼ぶ、必ず感謝の気持ちを伝える、推しの前から去る時と推しがはける時にはお辞儀をする(これはマイルール)、こういう自分の中の当たり前は続けています。
推しもそのことは多分、なんとなくわかってくれている（ような）気がします。
接触で他の同担さんとはよく雑談しているのを見かけるけど、私とは推しのお仕事について語るだけで、他の話をすることもなければ、私からする気もありません。それに、これは勝手な憶測ですが、恐らく推しも私にそういう話題を求めていないと思います。
こういうところが良かった、あれはこう思った、これはこう感じた、自分にはこんな風に見えた。
そういう推しのパフォーマンスを語れるｵﾀｸで（勝手に）いたい。
だから、件の「今日どうだった？」って推しから聞いてもらえた時には正直めっちゃ嬉しかったですねぇ！！！（ここぞとばかりに声を大にして）
あとひとつ余談で……
これは私の気のせいかもしれませんが、推しは舞台からはける直前にはお手振りでなく必ず深々と一礼して去っていくのですが（これはその前に一回お辞儀していても必ず）、テンション上がったのか手だけ振ってお辞儀をすっかり忘れてはけようとしていた時があったんですね。
で、私が客席でいつもの癖で頭下げて見送ったら、慌てて戻ってきて一礼した時があって、「あ、これ(私のお辞儀)、推しから見えてんのか」ってなったことがあります。
推しがそのタイミングでたまたま思い出しただけで、まったくの気のせいかもしれませんが、こういう時も見えてるかもしれないのか、そうかって、自覚するきっかけのひとつにもなりました。
ということで、認知をされたくない派のｵﾀｸが認知された結果、言動は変わりませんでしたが推しを推すうえでの心構えは少し変わりました。
今後も、推しと自分の間には常に一本の消えない太い線を引いて、その線を挟んで、ガラスの壁越しに推しを見るみたいな、そんな関係を平行線のように続けてきたい。（以前は推し側がマジックミラーだったんですけど）
何はともあれ、推しから認知してるよってはっきり教示してもらえるのってあんまりないことだと思うので、振り返ってみても貴重な経験をしたな～という感想を置いて、また元気に現場に行ってきます。
「いつもありがとう、次もよろしくね」って毎回欠かさず言ってくれる推し、いつもありがとう、次の現場もよろしくお願いします。
あと欲を言えば、今年こそ売れてくれ。
